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過去写真をご紹介するコーナーの5回目です。
前回に引き続き、星空の写真をご紹介させていただきます。
ここでご紹介する「星空撮影」は、1つの星や星座をアップで撮るものではなく、星空を風景として撮る、または、星空と風景を撮る、いわゆる「星景写真」ことを指します。
前回もお話ししましたが、星は動いている(正確には地球が回っているのですけれど)ので、1つの星や星座をアップで撮る場合は、赤道儀という星を追っかけて撮る機材が必要になり、撮影難易度が高くなります。
しかし、星景写真であれば、基本さえ覚えてしまえば、さほど高い撮影技術は要求されません。
それでいて、お天気・光害(街灯りなど)・満月のような明るい天体など、シビアな条件が揃わないと撮るのが難しいので、撮れた時の感動は格別のものがあります。
めちゃくちゃテンションが上がりますのでお勧めです👍
青森県の星空 2017/10/18
青森旅行初日は、雲が多かったですが、何とか撮影できました。
2日目は、完全に曇ってしまって撮影は断念しました。
そして、旅行最後の晩、3日目の夜は、旅行期間中で一番コンディションが良かったです。
まず、雲がない空に向かって撮影。
近くに公園があったため、光害の影響をうけておりますが、左上に星雲まで写っているではありませんか!
私の講座でもお話ししておりますが、星空写真の肝は、ピントをきちんと合わせることだと考えています。それさえできれば、あとは、コンディションに恵まれればそれなりに撮れます。
次に、公園の気も少し入れて、天の川の方角に向けて撮影しました。
好みが分かれるところですが、私は星空だけを撮るよりも、地上の風景を少し入れたほうが好きです。
この写真の場合、森に寝ころびながら星を見上げている情景を思い浮かべながら撮影しました。
星空だけを写すより、星空を見上げている人間を連想できていいと思いませんか?ちっぽけな人間と対比させた大宇宙。宇宙の広さを、より感じられると思います。
こちらは先ほどの写真とほぼ同じですが、気をもっと少なめに入れて、露出(明るさ)の設定を落としました。
どちらがいいかは別として、これだけでも写真の雰囲気はかなり変わると思います。
こんどは、公園の隣の湖を入れて撮ってみました。
正面の街灯りが十字状になっているのは、前回ご紹介したクロスフィルターを使用しているためです。
星より街灯りのほうが明るいため、街灯りが派手に十字状になり、星より目立ってしまっていますね。この場合は、もっと暗い風景を選ぶか、クロスフィルターは外したほうが良かったと思います。
星が流れてしまっているのは、シャッタースピードが遅すぎたというよりも、三脚の固定が甘くて、撮っているときに微妙に動いてしまったようです。
この写真の場合、シャッタースピードは20秒です。
シャッタースピードをそのくらい遅くして撮りますので、ちょっとした振動でもブレてしまいます。さらにこの場合は、三脚の自由雲台の固定が甘くて、同一方向に微妙に回ってしまっていたのだと思います。
天気も残念ながら左手からかなり雲が出てきてしまっています。
高原とかで撮影していると、目まぐるしく天気が変わるときがあります。
シャッターチャンスを逃さないようにしたいものです。
クロスフィルターをつけたまま撮ったのは、クロスフィルターを外したりして時間をかけていると、もっと雲が出て星が撮れなくなってしまうかもと思ったからです。
最後に、再度雲がない空に向かって撮影。
星団がはっきり写っていますね。
この写真もクロスフィルターをつけた状態で撮っていますので、明るい星が十字状になっているのが分かると思います。
ちなみに、クロスフィルターは回転させて、十字の出る方向を調整できます。
個人的には水平垂直方向に出すよりも、この写真のように斜め方向に出すほうが好きです。
ご自分なりのイメージに合わせて調整していただければと思います。
まとめ(撮影ポイント)
前回のおさらいも含めてまとめておきます。
- 星空撮影、いわゆる星景写真は、基本さえ分かってしまえば決して撮影難易度が高いものではない。
- しかし星空は、お天気や光害など、シビアなコンディションに恵まれないと撮れないので、撮れた時はめっちゃテンションが上がる!
- 星景写真のアイテムとしては、クロスフィルターやソフトフィルターがある。
- クロスフィルターは十字の出る向きを調整できる。
- 星空撮影の肝はピント合わせ。
- 三脚もしっかり固定できているか確認。
- 星空だけを撮るのではなくて、地上の風景も含めると雰囲気が変わる。
ご興味がございましたら、コメントなどいただければ、“星の軌跡写真はAPS-C機では撮れないの?”とか、星の軌跡写真の話題も取り上げさせていただきます。
“星の軌跡写真はAPS-C機では撮れないの?”に関しては、結論だけ言いますと、“ちゃんと撮れますが、フルサイズ機で撮るのとはかなりイメージが変わります。”となります。イメージが変わるというのは、APS-C機(入門機に多い)がフルサイズ機(高級機に多い)に劣るという意味ではありません。
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